ベースサウンドは弾き手の手元で決まる!?
ピックアップと右手の位置について考えよう!!
『あー、最近ベースサウンドが決まらないなー。新しい機材でも買うか…。』
どんなベース、アンプ、エフェクターを使おうが、ベースサウンドの出所はアナタの手元。右手 (ピッキング) の位置やピックアップ・ボリュームやトーン・コントロールで大きく音が変わるんです。二つのピックアップ・ボリュームを両方全開にしたまま弾き倒していませんか??この記事を通じて、一緒に見直してみましょう!
ベースの構造
ベースには色々な種類がありますが、その中でも代表的なモデルがジャズベース。二つのピックアップを持つこのモデルが、その他多くのベースデザインの基となっていると言われています。
その二つのピックアップの特徴について、おさらいしましょう。
■ ネック・ピックアップ (フロント・ピックアップ)
名前の通り、ネック側に搭載されているピックアップ。丸みを帯びたマイルドな音が出せます。プレシジョン・ベースのピックアップもこの位置に近いことから、プレシジョン・ベースのようなサウンドを狙う際は、このピックアップを活用しましょう。
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■ ブリッジ・ピックアップ (リア・ピックアップ)
名前の通り、ブリッジ側に搭載されているピックアップ。アタック感があり、ミドルが効いた音が出せます。ジャコ・パストリアスのようなサウンドを狙う際は、このピックアップを活用しましょう。
手元でベースサウンドをコントロールしよう!
ベースサウンドをコントロールする手段
手元でベースサウンドをコントロールするにあたり、その手段は次の三つが挙げられます (勿論、それ以外の手段もあります)。
■ ピックアップ・ボリュームのバランスを変えてみる。
■ トーン・ノブで音質を変えてみる。
その中でも、最も地味そう…でも思いのほか大きな変化が得られる“右手の位置” を変えた時の音質変化について検証してみましょう。
右手の位置を変更することで、フォーカスされるピックアップも変わります。例えば、ネック寄りの位置でピッキングすることで、ネック・ピックアップの効果がより大きくなります。逆に言うと、ブリッジ寄りの位置でピッキングすることで、ブリッジ・ピックアップの効果が大きくなるという訳ですね。
実際にベースを弾いてみた!!
今回演奏に使用したのは私のメインベースであるジャズベース。ピックアップの構成もネック / ブリッジ・ピックアップのオーソドックスな仕様のものです。今回はトーン・コントロールはフルの設定です。
残念ながら、私はクールな指弾きが出来ないので、ピック弾きで演奏しています。ピック弾きは指弾きに比べてアタック感が出やすい傾向にあります。
演奏順は以下の通り。ピック弾きでもかなりの違いが判るのではないでしょうか…??それでは以下のYouTube動画をチェックしてみましょう。
② ネック・ピックアップ側
③ ブリッジ・ピックアップ側
検証結果と考察
さて、いかがでしたか??かなりの違いがありましたよね。
ネック・ピックアップ側では丸みを帯びたマイルドなサウンドになり、ピッキングによるアタック感も薄れている印象です。一方で、ブリッジ・ピックアップ側で演奏した場合は、ピッキングによるアタック感が強く出て、ミドルレンジが強調されたサウンドになっています。
それぞれのピックアップの特徴、右手のポジションによる効果を把握することで、その曲にあったサウンド・メイキングが手元で出来るようになります。
私は数年間ヘヴィメタルバンドのベーシストとして活動していましたが、右手のポジションをブリッジ寄りにした方が好きなサウンドになる事に直感として気づいていました。きっと音圧のある他の楽器隊に負けないアタック感を自然に求めていたのではないかと思います。
アタック感を出す手段として、右手のポジションだけでなく、ネック・ピックアップ側のボリュームを絞ることでも近い効果が得られますよね。そういったコントロールを手元で行うことで、瞬時に曲にあったサウンドに近づけることができます。
さらにマニアックな話
ネック・ピックアップ側に比べて、ブリッジ・ピックアップ側で演奏した方が音量が大きいことにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、これは私のベースのピックアップの高さ設定によるものです。ピックアップの高さは、両方のピックアップを活用する上で、そのブレンド比に大きな影響を及ぼします。サウンド・メイキングするに当たっては、ピックアップの高さを微調整することも有効な手段と言えます。
ベースの音作りにおけるオススメ参考資料
私は数年間ヘヴィメタルバンドでベーシストとして活動していたことについて触れましたが、本業はギタリストです。ベーシストとしての活動は極めて短いものでしたが、その期間中にフルアルバムのレコーディングを経験。本格的なベースサウンド・メイキングを知らなかった私が参考にしたのは、優れたベーシストとして知られるBryan Bellerの教則DVD 『Mastering Tone & Versatility』 でした。
このDVDではベースのサウンド・メイキングの基礎・応用に触れ、様々なジャンルの奏法やテクニカルな演奏のコツ等幅広く紹介しており、より高いレベルを目指す全てのベーシストの方にお勧めです。