WANDS 『BURN THE SECRET』

BURN THE SECRET WANDS 音楽レビュー

 

こんな感じの内容です!

再始動したWANDS (第5期) 待望のNew Albumを皆で聴こう!

90年代のJ-POPを語る上で外すことのできないBeing (ビーイング)。このレーベルに所属した代表的なアーティストとして名前が挙がるのはZARD, WANDS, T-BOLAN…。まだまだ数多くの有名・人気アーティスト・バンドの名前が出てくるかと思います。昨今ではBeing Legendツアーとして往年の人気バンドが再度ライブを行う等、Being周辺の音楽も今また盛り上がってきています。

その中でも、“WANDS再始動” は大きな話題であり、遂にNew Album 『BURN THE SECRET』をリリース。今回はその作品についてレビューしたいと思います。

 

 

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WANDS (第5期) について

90年代に絶大なる人気を誇ったWANDS。その歴史については様々なサイトで語られていると思います。本ブログ記事では、その歴史について簡単に触れたいと思います。

WANDS (第1-2期)

人気ボーカリスト上杉昇と、実力派ギタリスト柴崎浩。二人のイニシャル W (Wesugi) and S (Shibasaki) からバンド名が名づけられていることも周知の事実。彼らがこのバンドの中心人物となります。

端正なルックスと確かな歌唱力、ギターテクニック。加えて人気作曲家も加わる形で制作されたキャッチーな楽曲…と売れる要素しかない彼らのハードロックをベースとしたが楽曲の数々はヒットチャートに並び、時代を象徴するバンドの一つとなりました。

第一期には今も人気プロデューサーとしてポップス、アニソンと広く活躍する大島こうすけがメンバーとして活動し、第二期には木村真也が交代しています。

WANDS (第3期)

ビーイングが望む音楽性と、自身が目指す音楽性の不一致より上杉氏、柴崎氏両名が脱退。残った木村氏が新たなメンバーと結成する形で復活した第3期WANDS。絶対的な人気を誇る上杉氏、柴崎氏不在のため、否定的なイメージを持つファンの方もいらっしゃるかと思いますが、実はこの第3期の作品も非常に素晴らしく、リリースされたアルバムはWANDS作品の中でも最高峰だと思っています。

新たに迎え入れられたメンバーはVo. 和久二郎 (現在は松元治郎として活動)、Gt. 杉本一生 (現在は安保一生として活動、Li-sa Xの実父としても知られています) の二人。バンド名の由来にちなんで、W (Waku) and S (Sugimoto) とそれぞれ名乗っていました。

この第3期メンバーは、後々松元氏のソロアルバムを作成するにあたり集結するなど、往年のファンを歓喜させたのも記憶に新しいところ。その作風も往年のビーイングを彷彿させるもので、非常に良い作品です。現在では入手困難かもしれませんが、CDショップで見かけた際には是非ゲットしてみてくださいね♪

WANDS (第4-5期) ←今ここ

セッションで顔を合わすことも多かった旧メンバーの柴崎氏、大橋氏の間でWANDS再始動の話がにわかに盛り上がり、新ボーカリスト上原大史が加わる形で再始動。第5期WANDSの再始動シングルの作曲も手掛けた大橋氏は、制作活動に専念するという理由で、第2-3期に活躍した木村氏に交代。第5期は上原氏、柴崎氏、木村氏の3名となりました。勿論、W (Wehara) and S (Shibasaki) へのこだわりも健在 (笑)。

ファンにとっては、人気絶頂であった頃のメンバー柴崎氏が参加していることが大きな話題となり、一方で上杉氏不在を嘆く声も聞こえてきました。しかし、上原氏の上杉昇に負けず劣らずの端正なルックス、WANDSの音楽性にばっちりハマる歌声と歌唱力で、新たなファン層も獲得しています。

上原氏は-真天地開闢集団-ジグザグというV系バンドの命 (みこと) と同一人物では??…と噂されているので、興味がある方は動画をチェックしてみてはいかがでしょうか?

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New Album 『BURN THE SECRET』

再始動シングルが名探偵コナンのテーマソングとなる等、華々しい再始動を飾ったWANDSの、満を持してのNew Album。リリース時に予約購入して何度も聴いています。早速内容をレビューしていきたいと思います。

先行シングルにもWANDSの名曲のリメイクが収録されていましたが、今作にも往年の名曲が4曲、新曲6曲の計10曲が収録されています。

往年の名曲リメイク

本作で取り上げられているWANDSの名曲は以下の通りです。

#4 Secret Night ~It’s My Treat~
#7 明日もし君が壊れても
#8 もっと強く君を抱きしめたなら
#9 世界中の誰よりきっと

#4はビーイングらしいキャッチーさに加えて、当時上杉氏と柴崎氏が志向していたグランジ的な要素が入り混じった、当時としては衝撃的かつ新しいスタイルがファンを驚かせた作品。オリジナルに忠実で、ボーカルも全く違和感なく溶け込んでおり、往年のファンも納得の仕上がり。ただし、柴崎氏はかつてとは全く異なる次元に至っており、演奏から垣間見られるオーラには絶対的な違いが… (笑)。

#7 は第3期WANDSの代表曲の一つ。ZARDの坂井泉水が作詞、ビーイングの看板作曲家といっても過言ではない大野愛果が作曲した楽曲で、アニメのタイアップであったこともあり、記憶に残っているリスナーの方も多いかと思います。オリジナルでも参加していた川島だりあ (FEEL SO BAD) の存在感あるコーラス含め、こちらもオリジナルに忠実なアレンジ。ギターソロについては、かつてのメンバー杉元氏の演奏に敬意を払いながらも柴崎氏の隠しきれない凄腕オーラ全開のギターソロが展開されています。

#8 は第一期最後のシングルとしてリリースされた爽やかな一曲。こちらも人気曲であることからかオリジナルに忠実なアレンジが施されています。ギターソロは大幅にフレーズ変更されており、オリジナルの『Steve Lukatherが好き!』 という感じのソロではなく、柴崎氏のオリジナリティ溢れるソロを披露しています。

#9 はWANDSの中で最も人気の高い一曲。当時同じく絶大なる人気を誇っていた中山美穂とのデュエットも話題を呼びました。製作陣のアドバイスを受ける形でオリジナルに忠実なイントロを残し、少しモダンな音像に仕上げられています。コーラスにはビーイングがプッシュする若手女性シンガーが名を連ね、楽曲を盛り上げています。この曲でも只者ならぬオーラを醸し出しつつ、楽曲に溶け込む圧巻のギターソロを披露されており、必聴の一曲になっています。

新たに制作された新曲たち

新たなWANDSを象徴する新曲。これらの楽曲の多くは柴崎氏が手掛け、20年以上の音楽活動の中で磨き上げてきたセンスと音楽知識に裏付けされた作品群になっています。

まず、本作のリードトラックとしてMVも製作された#1 David Bowieのように。ボーカルのソロから始まる展開がWANDSの再始動の狼煙を上げるかの様。人気絶頂だった頃の楽曲を彷彿させます。また、ロックスター“David Bowie” の名前が飛び出す印象的な歌詞含め、インパクトのある一曲です。

#2 抱き寄せ 高まる 君の体温と共に は、その長いタイトルも往年のビーイングのヒットソングを彷彿させ、楽曲そのものも当時のビーイングの人気作曲家の一人、栗林誠一郎氏の作品を思わす爽やかなロックチューンになっています。ギターリフが刻まれるAメロ、しっとり聴かせるBメロ、爽やかなサビメロと多彩な一曲です。

続く#3、#5、#6の3曲が個人的には新生WANDSをうまく象徴しているように思います。耳障りの良いキャッチーなメロディを、一筋縄ではいかない複雑さを感じさせつつも、難解過ぎない絶妙なアレンジで聴かせる、まさに卓越した音楽センスが成しえる楽曲群です。

#3 賞味期限切れ I Love you は90年代的なブルースロック的なリフに歌謡曲風のAメロ、そこから転調をうまく利用したキャッチーでガツンとくるサビが秀逸なミドルチューン。ジャジーかつコンテンポラリーなギターソロも聴きどころ。

#5 Burning Free は現代のロックを意識したのか、90年代ロックで多く取り入れられた刻むスタイルのギターリフは封印。歪みの少ないギターサウンドでかき鳴らしつつ、複雑なリズムに絡むジャキジャキのギターフレーズでアレンジされています。この楽曲でもサビで転調、キャッチーでガツンとくるメロディが往年のファンの心も鷲掴みにしてくれる一曲です。

#6 真っ赤なLip はもはや説明不要の再始動シングルとなった一曲。『なぜシングルにしたの?』と思わせるほどに複雑なアレンジに、モダンでキャッチーなメロディが乗る一曲で、大島氏らしさが全開で私はとても気に入りました。ジャジーなAメロ、変拍子を絡めつつも自然に聞かせるしっとりしたBメロ、ロックなギターと絡むキャッチーなサビから静まった中でメロを歌い上げる大サビへの展開。シングル曲とは思えない長くてテクニカルなギターソロとおなかいっぱいになります。

最後の#10 アイリメンバーU は上原氏が作曲した一曲。他の楽曲に比べると非常にシンプルながらも、どこか懐かしいメロディが往年のビーイングソングを彷彿させます。従来のメンバーではなく、新メンバーの上原氏がこういった一曲を作ってくれるのは嬉しいところですね。

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最後に一言

これまでのWANDSも、時期によらず常に最高でしたが、今回の第5期もはっきり言って最高です。新曲の数々はかつての名曲に負けない魅力があるので、次作では全曲新曲で勝負してほしいぐらいに思えました。

こういった90年代のスタイルにほんのりモダンな味付けをした音楽性を、今の若者がどう受け止めるのか…。意見を聴きたくなりますね。しかしながら、いつまでも若々しくカッコ良い柴崎氏。作曲センスにとんでもない次元に突入しているギタースキル。ますます目が離せない存在です。

ちなみに、2020年11月号のヤングギターにて柴崎氏のインタビューや奏法解説が掲載されており、その演奏動画がYouTubeにて公開されています。ファンのみならず、ギター好きは必見の内容なので、本記事にもリンクを貼っておきますね。

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今後の活躍に期待。もっと多くの楽曲を我々に届けてください!!
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