格付けチェック! ギターアンプサウンド収音用マイクの比較

ギターアンプサウンド収音用マイク比較 REC実験室

 

こんな感じの内容です!

ギターアンプサウンド収音用マイクを比較してみたよ。

マイクプリ比較の記事においても、“アンプの音をそのままミキサーに届けたい” という話をしましたが、マイクプリよりもっと重要な位置づけにあるのがマイクそのもの。今回は私の手持ちの数少ないマイクで比較検証を行ってみたので、どれがアンプの音を最も再現しているのか、好みのサウンドに近づけるにはどうすれば良いか考えてみましょう。

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ギターアンプサウンド収音用マイクの比較

さっそく比較動画 (格付けチェック風)

今回使用したマイクは以下の通り。どれが最も高級なマイクか分かりましたか?

■ SHURE SM57
→ ジャンルを問わずギターアンプ録りに使用されてきた、定番中の定番と言えるダイナミック・マイク。


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■ sE electronics x1
→ エントリークラスのコンデンサーマイクとして人気のモデル。同社のリフレクション・フィルター、ポップガードとの同梱セットの印象が強く、そのお得感から購入する方が多いように思いますが、マイクそのものの基本性能についても高い評価を受けている。

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■ Lauten Audio LT-321 Horizon
→ 価格帯としてはミッドクラスに相当する真空管コンデンサーマイク (私にとってはハイエンドですが)。某プロミュージシャンによると『オールドのNEUMAN U67のような質感』と称される。当時高い評価を得たものの現在は廃版扱い。以下は同メーカーの現行真空管コンデンサーマイクです。

マイクの比較検証方法

今回比較するため、ハードロック風のトラックを準備。ギター以外のトラックは同じモノを使用し、ギタートラック録音時のマイクのみ変更しています。ギター周りの使用機材は以下のとおり。

■ 使用機材
① エレキギター (ストラトタイプ)
② ギターアンプ (真空管アンプ:60Wクラス)
③ エフェクター数個 (歪み系、ノイズサプレッサー系)

マイク収音においては、スピーカー中心からの距離 (スピーカー部の外周部より5cmほど内側)、キャビネットからの距離 (ネットから5cmほど位置) も統一。セットアップ例は下図の通りです。

ギターアンプのマイク録りセットアップ

正解発表 (あなたは一流ギタリスト??)

最も高級なLauten Audioのサウンドを見事正解することができましたか?

正直マイクの価格・音質に違いがあれど、ジャンルや求めるサウンドによって合う・合わないがありますよね。そして、それぞれのマイクにそれぞれの良し悪しがあるようにも思います。次項で私の感想を交えて、良い音を収音するアイデアについて議論したいと思います。

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マイクの違いと、良いギターサウンドの収音方法について

マイクの違いについて (個人的な感想)

まず感じたことは、ダイナミック・マイクとコンデンサー・マイクの違い。

今回用いたSHURE SM57はミドルの立った、存在感・パンチのある音色で収音されています。一方で、コンデンサーマイクは幅広い周波数をカバーしており、元々のフレーズのニュアンスも伝わる形で収音されています。また、ダイナミック・マイクに比べて空気感も得られる一方で、少し引っ込んだ感じに聞こえ、音の存在感としてはダイナミック・マイクに軍配が上がる印象を受けました。

そして、エントリークラスとミッドクラスのコンデンサー・マイクの音質差についても考察してみました (所有者としては差が出てほしい案件)。

正直なところ、価格ほどの差はないように思います。これぐらいの差であれば、その他機材の設定でカバーできるぐらいではないかと感じました。敢えて違いを挙げるのであれば、Lauten Audio LT-321の方が低音領域もしっかり収音しており、幅広い周波数領域をカバーできている印象。聴感的にもギターアンプから鳴っている音をそのまま収音できているのはLauten Audioでした。

※ ちなみに、Lauten Audioはヴォーカル録りでは、その他マイクとの格の違いを見せてくれているので、購入して後悔はしていませんよw

良いギターサウンドを収音するために

上記のように、それぞれマイクには特性があります。特に、ダイナミック・マイクとコンデンサー・マイクは、収音される音が全く別物です。

プロの現場では当たり前のように取り入れられている方法ではありますが。マイク数本でレコーディングを行い、それぞれのサウンドをブレンドすることが有効とされています。

今回の動画:解答編の最後に、ダイナミック・マイクとコンデンサー・マイクのブレンド例をおまけとして付けておきましたが、コンデンサー・マイクが持つレンジの広いサウンドに、ダイナミック・マイクの持つパンチ感が加わったことで、バランスの良いサウンドに仕上がったかと思います。

今回の検証からも分かったように、高価なマイクが良いとは限らず、マイクによってカラーも異なります。マイクもプリアンプも無数の製品が存在し、すべてを比べることは難しいですが、多くの機材に触れ、自分の好みのサウンドを探していくのは楽しさいっぱいですね。今後も探求し続け、皆様と議論できると幸いです。

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