真空管弾き比べ!チューブプリで歪みサウンドメイキング。

チューブプリ歪みサウンド REC実験室

 

こんな感じの内容です!

チューブプリの真空管を交換して弾き比べてみたよ。温かみのある歪みサウンドを楽しもう♪

プラグインが進化した今でさえ愛され続ける真空管ギターアンプ。プロアマ問わず現場ではマーシャルをはじめとする真空管ギターアンプが活躍しています。その魅力は何といっても真空管から生み出される温かみのある歪みサウンド。

過去に、マイクプリ内の真空管を交換した時のサウンド変化についてチェックしたことがありましたが、今回は同じマイクプリをギターのライン用DIとして使用。この用途では真空管 (12AX7) 交換時のサウンド変化も大きく、面白い比較音源が取れたので紹介したいと思います。

以前のマイクプリを用いたギターアンプサウンド収音に関する過去記事はこちらです。
↓↓↓
https://soundville.net/2020/07/12/tube_micpre/

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マイクプリについて

マイクプリとは?

マイクプリ…とはマイクプリアンプの事であり、マイクで拾った音を増幅させるための役割を果たしています。マイクプリの歴史は長く、現在でも銘器として名高いNEVE (ニーヴ) あたりがその代表格です。

マイクプリに求められる基本性能としては、低ノイズかつヘッドルームが広いことが挙げられますが、それ以上にマイクプリを通すことで得られる “音の質感” が代え難い魅力であり、現在でもプラグインは勿論、ハードとしてプロの現場で活躍しています。

宅録におけるマイクプリの必要性

『プロの現場で使われているのは分かったけど、それってアマチュアでも揃えた方が良いの??』…そんな事ははありません。この記事の冒頭でも述べましたが、昨今DAWや機材の進化しているので、DTMerの皆さんが既にお持ちのオーディオI/Fにもマイクプリの機能が含まれています (元音が小さい録音であっても、ツマミ一つでレベル調整できるでしょ??)。

アマチュアでもマイクプリを導入するメリットは、やはりマイクプリ独特の “音の質感” となります。これまで歴史を変えてきた数々の名盤もマイクプリを使用してレコーディングされてきた事もあり、“憧れの、あの質感がどうしても欲しい” という方は導入を検討してみても良いかと思います。

最近では、銘器か生み出されるサウンドを再現したプラグインも多数リリースされているので、ハードより安価かつ気軽に入手できます。そういった状況の中、敢えてハードで持つ必要性はないと個人的には考えます。

私が所有するマイクプリ

前項で “アマチュアが敢えて持つ必要性はない” と断言しているのに、実は私、マイクプリを所有しています。かつてMTR (マルチトラックレコーダー) を使用してレコーディングしていた際、適切な音量レベルの音が得られず、マイクプリを導入しました。

私が所有するマイクプリはStudioProjects VTB1という真空管を搭載した機種で、当時2万円を切る価格で販売されていたものです。ネットでの評判がよく、安価のため改造をしてより良い音を目指す方もいらっしゃったようです。

マイクプリとしては安価なモデルですが、真空管による音の色付け可能かつ、チューブサウンドとのブレンド比率がコントロールできる優れモノ (詳細な仕様はSOUND HOUSEさんの商品ページをご参照ください)。

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今回の実験内容

マイクプリをライン入力用DIとして活用

このマイクプリ、マイクだけでなくシンセやリズム・マシンなどの音源系からエレキギターのライン入力用DIとしても使用可能です。また、内蔵されている真空管は12AX7(別名ECC83、7025)。多くのギター・アンプ等でプリアンプ部に用いられる真空管であり、比較的歪みやすい事が特徴の1つでもあります。今回はマイクプリとしては歪み過ぎなのでは?…と思わせる本機の特性を逆手に取り、歪みエフェクターとして活用してみようと考えました。

VTB1のカスタマイズ

本機は真空管部に手軽にアクセスしやすく、さまざまな年代/メーカーの管を差し替えられるのも魅力。今回は以下の真空管の比較。初期型の標準管と現行LOTの標準管も含まれているので、その音質の違いについてもお楽しみ下さい (笑)。
※ 実は、この機材を改造している際に壊してしまいました (カスタマイズしやすいのが魅力の一つである本機。イジり過ぎは注意ですね…)。結果、もともと使用していた3桁ロットの初期型と、5桁ロットの現行機を所有することになりましたが、搭載されている真空管やオペアンプの仕様が全く異なることが判明。そのあたりも少しずつ触れてい行きますね。
今回比較を行った真空管は以下の通り。
■ 製造国不明 ノーブランド品
(現行ロット標準管)
■ ロシア製 SOVTEK品
(初期ロット標準管)
■ ロシア製 Groove Tubes
■ USA製 RCA
真空管ラインナップ
それぞれの特徴について、入手経緯や私の所感も交え説明していきます。

今回比較した真空管について

製造国不明 ノーブランド品
買いなおした現行VTB1の標準品として取り付けられていたノーブランドの真空管。このマイクプリ自体の製造が中国っぽいので、真空管も中国製かなーと勝手に思い込んでいます。その実力や如何に!?
ロシア製 SOVTEK品
もともと所有していたVTB1初期ロットの標準品として取り付けられていたSOVTEK品。現行品がノーブランド品に代わった経緯は分かりませんが、初期ロットは音へのこだわりからこの真空管がチョイスされていた可能性も!?


ロシア製 GROOVE TUBES品
GROOVE TUBESは先に紹介したSOVTEKのような真空管製造メーカーではなく、多くの真空管をある基準に基づいて選別し、クオリティの優れたものを提供するスタイルのビジネスを行っています。その一方で、一時期は自ブレンドでも真空管を製造、USA製として販売もしていました。
私自身、GROOVE TUBES独自で製造していたUSA製に興味があり、ネットフリマで購入…。いざ届いた商品を確認するとロシア製で、該社が選別しただけのものでした (商品説明にはUSA製と明記されていたんですけどね。皆さんも購入前にしっかり商品確認してくださいね…涙)。

USA製 RCA
言わずと知れたヴィンテージ管で、トモ藤田氏もオススメの真空管として紹介されていました。このRCAの真空管、特にNOS品も偽物が多く出回っているということなので、私が所有しているものも偽物の可能性があるかも!?譲ってくれた方いわく、間違いなく本物とのことでしたが…。

実験環境について (機材・楽曲)

今回の実験では以下の図の通り、機材を接続しています。ギターアンプの収音には定番SHURE SM57を使用。エフェクターも介さず、チューブプリ VTB1のサウンドをダイレクトに感じ取れる環境を準備しました。アンプのツマミも固定、真空管によっては出力の違いがあったため、VTB1側のOUTPUTツマミにてレベルを調整しています。

レコーディング環境

なお、今回の弾き比べてにおいて、ギターサウンドそのものにフォーカスすることに加え、ドラムやベース等のリズムトラックに馴染ませた際の質感について比較しました。

取り上げた楽曲は田村直美さんが率いた新生PEARL (パール) のフルアルバム一曲目を飾った『有名人』。北島健二氏のロック魂溢れるリフにBLUE MURDER (ブルーマーダー、John Sykes率いた3ピースバンド) のリズム隊であるTony Franklin (トニー・フランクリン) とCarmine Appice (カーマイン・アピス)のウネリの効いたグルーヴが絡むカッコ良い一曲です。全パート私が作成しているため、原曲の良さが損なわれず伝わると良いのですが…。

いずれにせよ、結果について一緒にレビューしていきましょう♪

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マイクプリ実験結果と考察

YouTube動画で検証

真空管 (12AX7) 聴き比べ。チューブプリで歪みサウンドメイキング

さて、皆さんどうでしたか?

マイクプリ VTB1の有り無しは出力レベル含め全く異なるサウンドになっていますよね。真空管12AX7そのものが歪みやすい特性を持っていることもあり、チューブディストーションかと思うくらい強力に歪んでいます (笑)。

それぞれの真空管の違いについて詳しくみていきましょう。

製造国不明 ノーブランド品
パワー充分、パワフルなサウンドを生み出してくれます。ノーブランドではありますが、中低音の効いた真空管らしい質感があり、ビギナークラスとは言え『真空管らしさ』を演出することで高い評価を得ているのも納得のサウンドを聴かせてくれました。一方で、低音領域がブーミー過ぎるかなーという印象を受けました。
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ロシア製 GROOVE TUBES品
GROOVE TUBESは上記ノーブランド品とほぼ同じサウンド、パワー感含めて違いはほぼ感じられませんでした。ノーブランド品も案外ロシア製で、GROOVE TUBE品と出所が同じなのかもしれませんね。
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ロシア製 SOVTEK品
VTB1初期ロットの標準品として取り付けられていたSOVTEK管。ノーブランド品やGT管に比べると、高音域が強くなったことで全体のバランスが良くなったように感じました。サウンドもジャキジャキ感が出て、ワイルドな歪みを演出する上では、この管がベストでした。
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USA製 RCA
良くも悪くも、他の真空管に比べて出音が大きく異なったのが、このRCA管。まず歪み成分が圧倒的に少なく、12AU7的な上品なサウンドであるものの真空管特有の色付けはしてくれます。多くの人がヴィンテージ管に求めるのは、こういった質感なんでしょうね。VTB1を歪みエフェクターとしてではなく、マイクプリとして活用するのであれば、RCA一択ですね。

実験を終えて…

前回検証したVTB1のマイクプリとしての活用より、ライン入力用DI…というより歪みエフェクターとして新たな可能性を見出せました。『真空管のような歪みを再現』と謳っているペダルより、いっそ真空管を積んでいる本機を使用した方が求めるサウンドが得られるように思います。ただし、自宅レコーディング専用。ハーフラックサイズのボードタイプの機材なのでライブには完全に不向きですね (笑)

ヴィンテージNEVEやその再現を狙った高級機種についても試してみたいですが、是非皆さんもエントリーモデル STUDIO PROJECTS VTB1で遊んでみませんか?
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