こんな感じの内容です!
楽器に適した材を見極める!?ネック材・指板材のタッピングサウンドを比較検証
エレキギター、エレキベースは簡単にパーツ交換できることも魅力の一つ。より良いサウンドを目指してピックアップを換装する…なんて事もギタリストやベーシストの方なら経験あるのではないでしょうか。
私自身、所有ギターの本数を増やすというより、ギターをカスタマイズするのが好きなタイプで、思い切ってネックを交換!なんて事もやっちゃいます。
今回は、そんなネック交換を行うに当たって、良い材を見極める方法について検証してみました。
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ちなみに、先日発売されたヤングギターは木材特集でしたね。この本も木材の特徴を知る上で非常に参考になるかと思います。
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良いネック材、指板材を選ぶには?
昨今ではネットショッピングを利用することで簡単に楽器用パーツを入手できます。モノによっては中国製のすごく安いモノから、海外の職人が手掛けた一点モノだったり、ピンキリですよね。また、オークションサイトやフリマサイトでは、詳細説明がなかったり、説明の信頼性に欠ける商品も少なくありません。最悪の場合、偽物の商品を捕まれるケースだった珍しくありません。
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そんな中、信じられるのは自分の耳、自分の感覚です。自分の耳が『良い!』と感じたものであれば、それが中国製であっても、安価のモノであっても問題なし。…ということで、私自身がギターのネック交換の成功体験を基に、良い材をチョイスするコツについて記事にしてみました。–
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今回の実験内容
良いネック材、指板材を、自分の耳で聴き分け判断する。その手段は『タッピング』と呼ばれる方法です。ネック・指板材を自分の指でコンコン叩き、その響きをチェックする方法です。この方法は実際ギター職人の方々も材をチョイスする際に必ず行っている工程と言われています。
具体的な実験方法を以下にまとめました。
■ 楽器を床に真っ直ぐ立てて、ナット部分を手で支える。
① ネック材のタッピング
■ ナット/ジョイント部分の中間あたりを目安に、ネック材を指でタッピング
(ギターで言えば、9フレットあたりの位置)
■ 材から得られるタッピングサウンドをマイクで収音
② 指板材のタッピング
■ 同様に、ネック材/指板材の境界部分を指でタッピング
■ 材から得られるタッピングサウンドをマイクで収音
ちなみに、今回タッピングサウンド収音に用いたマイクは、エントリーモデルとして人気のsE Electronicsのx1タイプです。
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今回検証に使用した楽器
検証を行うにあたり、私が日頃愛用している楽器を総動員。エレキギターを中心にエレキベース、アコースティック楽器についても併せて実験してみました。それら楽器の中には量産品から世間的な評価の高い工房品も含まれるので、それら情報もありきで『良い楽器』について考察します。
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ラインナップは以下の通りです*。
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ラインナップは以下の通りです*。
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No.1 :エレキギター① 日本製量産品
No.2 :エレキギター② USA製工房品
No.3 :エレキギター③ 日本製工房品
No.4 :エレキギター④ USA製 (?) 量産品
No.5 :エレキギター⑤ 日本製量産品
No.6 :エレキベース① USA製工房品
No.7 :エレキベース② 日本製量産品
No.8 :アコースティックギター 海外製工房品
No.9 : クラシックギター 日本製量産品
No.10 : マンドリン 海外製工房品
No.2 :エレキギター② USA製工房品
No.3 :エレキギター③ 日本製工房品
No.4 :エレキギター④ USA製 (?) 量産品
No.5 :エレキギター⑤ 日本製量産品
No.6 :エレキベース① USA製工房品
No.7 :エレキベース② 日本製量産品
No.8 :アコースティックギター 海外製工房品
No.9 : クラシックギター 日本製量産品
No.10 : マンドリン 海外製工房品
*それぞれの楽器に使用されている材の種類については、YouTube動画内に示しますので、詳細はそちらをご参照ください。
検証結果をYouTube動画でチェック!
いかがでしょうか。材質の違いがはっきり出ていますよね?
ただし、楽器そのものの種類が異なれば、ネックの形状やジョイント方法も異なるため、そういった要素からの影響も無視できません。それら影響にも触れながら、ネック材・指板材並びに材質の特徴について考察していきましょう。
ただし、楽器そのものの種類が異なれば、ネックの形状やジョイント方法も異なるため、そういった要素からの影響も無視できません。それら影響にも触れながら、ネック材・指板材並びに材質の特徴について考察していきましょう。
ネックの材質の違い
ネックの材質の違いについて触れる前に、ネックのタッピングサウンドにおいては、ネックの形状の違いやジョイント方法による影響が非常に大きかった点について説明します。
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まず、ネックの形状によって音の大きさや高さが異なること。太いネックは芳醇な響きが得られ、薄いネックはペチペチした、少し頼りない響きになっています。また、アコースティック楽器のように、ボディ材の広い面積でジョイントされている場合は、ネック材をタッピングした場合であってもボディ材も共鳴するため、ボワッとしたサウンドになる傾向にありました。
では、肝心の材質の違い・特徴について触れていきましょう。
メイプル:
その他材と比べても、広い音域でバランスよく響く。
エレキギターで広く採用されているのも納得の質感。
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ローズウッド、レースウッド:
メイプル対比でハイが際立ち、落ち着いた響きを持つ。
ソリッドなサウンドを押し出したい時のチョイスとしてアリかも?
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マホガニー:
ローズウッドよりも、さらに硬質なサウンドで響きも出やすい。
ナイロン弦のギターにキラキラ感を加えられそうなので、クラシックギターに採用されているのも納得。
指板の材質の違い
個人的には、ネック材より指板材の方が楽器のサウンドを決定づけている印象を受けました。また、指板材は薄いため、厚く形成されているネック材の特色も大きく反映させたタッピングサウンドとなりました。やはり、指板材・ネック材のトータルバランスが重要…ということを痛感させられました。
それでは材質に違いについて考察していきましょう。
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エボニー:
金属のようなタッピングサウンドが特徴。音の立ち上がりに関しては非常に良好。
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ローズウッド:
エボニーほどの音の立ち上がりは早くないものの、高音も魅力的な広がりあるサウンドが特徴
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ハカランダ:
エボニーとローズウッドの中間的なサウンド (今回の実験では一本しか試せていないため、個体差については把握できておりませんが…)。ハカランダの代替品として知られるマダガスカルローズウッドやパーフェローとも異なる質感でした。
ネック材の音質について調べ物をしていた際、Roger Sadowsky氏 (ハイエンドのベースブランドの創始者として知られるロジャー・サドウスキー氏) がベースの材の選定について述べているYouTube動画を発見しました。案外私と似たような感想を述べていたので、安心しました (笑)。
個人的には私の所有するアコースティックギターの指板材エボニーのタッピングサウンドが美しく、好きなサウンドでした。このギターの指板材は厚めに作られており、エボニーの良さが際立っているように思います。そういったことからも、指板の厚さも重要な要素になると言えます。
ただし、ギターにおいて“メイプル指板” の仕様のものも多く存在します。このメイプル指板のタッピングサウンドについて試すことができなかったのは、今回残念な点でした。
質の悪い材について
質の悪い材の特徴
質の悪い材の特徴は、指板材のタッピングサウンドにて明確に差が出ました。
今回のラインナップのうちでは、No.5のネックが粗悪品です。この材のタッピングサウンドを聴いてみると、材そのものの密度が低いのかパサパサしたタッピングサウンドで、サステインも極端に短いことが分かると思います。その特徴は、特に指板材で顕著に表れていると感じました。
ネック交換で得られたサウンドの変化
先日、私自身ネック交換を行いましたが、交換前・交換後のネックは以下のとおりです。
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交換前:No.5 :エレキギター⑤ 日本製量産品
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交換後:No.3 :エレキギター③ 日本製工房品
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交換前は低音がボワッとぼやけるサウンドでしたが、ネックを交換することで、音の解像度が著しく向上、各弦のバランスも良くなりました。
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つまり、ネックを交換する際の大きなポイントは以下の通りまとめられます。
ネック交換の際は、指板材のタッピングサウンドを確認すべし。
スコーンと抜けるような音の立ち上がり、豊かなサステインを持つ指板・ネック材をチョイスすることをお勧めします。
スコーンと抜けるような音の立ち上がり、豊かなサステインを持つ指板・ネック材をチョイスすることをお勧めします。
最後に…
楽器店で試すのは基本NG
今回取り上げた “タッピングサウンドチェック” は材の特徴や品質を知るうえで有効であることが分かりましたが、楽器店の売り物で試す場合は注意が必要です。楽器店に展示されている楽器は、当たり前ですが売り物です。傷がつけば商品としての価値が下がりますし、指で叩くことは基本的にはNGと認識されるか思います。
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どうしても試したい場合は、店員さんにタッピングしても良いか確認してみるか、試奏の際に優しくタッピングする…などの方法が無難でしょうか… (トラブルに遭っても私は責任取れませんのであしからず。自己責任でお願いいたします)。
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ただし、ジャンク商品は扱いに関しても大目にみてくれることが多いと思いますので、店員さんに相談した上でOKが出ればタッピングしてみてください。
今回の検証方法以外に、良い材を見極めるコツをご存じであれば、是非教えてくださいね!!