知る人ぞ知る、実力派ギタリスト “James Harrah” を知ってもらいたい!!
音楽業界を支えてきたセッションギタリスト。その中でも、Larry CartonやRobben Ford、Steve LukatherやMichael Landauのようにギターヒーローとして扱われるケースもあるほど、その美しい演奏に多くのリスナーが魅了されています。
今回紹介したいギタリスト “James Harrah” (ジェイムス・ハラー) もそんな一人。超絶的なリードプレイを繰り出すわけではありませんが、その美しいサウンド、ハーモニーは絶品の一言。多くの方に知らってもらいたい…という訳でブログ記事にしたいと考えました。
James Harrah (ジェイムス・ハラー)
James Harrahという名前すら聴いたことがない方も多くいらっしゃるかと思いますので、彼のバイオグラフィから見ていきましょう。
James Harrah とは?
James Harrah (ジェイムス・ハラー) はアメリカで活躍するセッションギタリスト。最近はソロアルバムもリリースし、2020年春にも2ndソロアルバムがリリースされました。
Jamesは1957年生まれ。11歳でアコースティックギターをはじめ、15歳でエレクトリックギターをメインとするようになりました。彼の兄弟も音楽界で活躍しているので、音楽一家の中で育ったことが推察されます (彼の兄弟Walt Harrah氏はHavenという音楽ユニットで活躍されていました)。
そんな彼の音楽活動の転機は1984年のリッキー・リー・ジョーンズとのセッション。その後はマドンナやアル・ジャロウのツアーギタリストとして抜擢するなど、第一線で活躍するギタリストにのし上がりました。Jamesご本人はルックスも良く、ステージ映えすることも、マドンナのツアーギタリストに選ばれた一因かもしれません。
音楽性としてはポップスからR&Bに精通、ロックもプレイできる幅広いスタイル。勢いに任せたアグレッシブなプレイはほぼ見られず、ハーモニーを活かした美しいクリーントーンを聴かせる玄人好みのギタリストと言えます。そんな彼の実力は音楽界でも高く評価され、著名なギタリスト Dean Parks (ディーン・パークス) 氏も、一押しのギタリストとしてScott Hendersonと彼を挙げています。
James Harrahのセッション作品
James Harrahは実力派セッションギタリストということもあり、彼の名前を知らないという貴方も『実は参加作品は聴いたことありました…』みたいなケースも多くあるんじゃないでしょうか。そんな彼の参加作品について触れていきたいと思います。
■ Ned Doheny 『Life After Romance』
■ Lou Pardini 『Look the Other Way』
■ Micheal Ruff 『Once in a Lifetime』
■ Haven 『With One Love』
■ Richard Page 『Shelter Me』
少しマニアックな作品も含まれますが、AORからポップスにかけて名盤と呼ばれる作品に多数参加しています。また、音楽作品に加え、TV番組やブロードウェイ音楽などにも参加し、幅広く活躍しています。
James Harrah自身の音楽作品
セッションギタリストとして知られるJamesですが、彼自身の作品と呼べるものほんの数枚。ただし、どれもクオリティが高く、彼の音楽を楽しめる内容となっています。
■ Guitar Workshop in L.A.
この作品はJeff Baxter (ジェフ・バクスター)、Buzzy Feiton (バジー・フェイトン) 二人のベテランギタリストに、新進気鋭の当時若手ギタリストであったJames HarrahとTeddy Catellucci (テディ・カストリッチ) が挑む構図で企画されたギターを中心としたインスト作品。David Garfieldが指揮を取り、Jeff PorcaroやCarlos Vega等のLAの一流セッションマン達が脇を固めた良質な音楽作品です。
Jamesは派手さこそないものの、若手でありながら既に味のあるギターを聴かせており、当時から相当の実力を兼ね備えていたことがわかります。
リンク
■ James Harrah 『Words Fail Me』 ← オススメ!!
2009年にリリースされた、James初のソロアルバムで、全編彼のギターをフィーチャーしたインスト作品。多重録音されたギターが美しいハーモニーを奏で、上質なサウンドも相まって非常にリッチなムードを醸し出しています。落ち着いた楽曲に、シンプルかつ美しいメロディが奏でられる玄人向けの作品ともいえますが、ギターフレーズ一つ一つが繊細で、ギタリストにとっては非常に勉強になります。日本盤はリリースされていませんが、是非とも聴いていただきたい作品。
■ James Harrah 『Light Year Away』
2019年にリリースされた2ndアルバムで、インストではなく全てヴォーカル作品となっています。トラディショナルなスタイルのロック、ポップミュージックをベースに彼自身がしっとりと歌い上げる意欲作。バックや間奏では勿論彼の美しいギターフレーズが楽しめます。
James Harrah, YouTubeチャンネル開設!?
私自身も最近気づいたのですがJames Harrah氏、密かに自身のYouTubeチャンネルを開設。こっそりギター動画を投稿していました。日本では彼のプレイに触れるチャンスが少なく、これまではYouTube上でも演奏動画を見つけることが難しかった中、彼自身がクリエイティブなギター動画を投稿してくれるのはファンとして非常に嬉しいです。
このブログの前半でも二つ動画のリンクを貼っていますが、シンプルなバッキングトラックに即興演奏をのせるスタイルで動画をアップロードしています。ただし、彼ほどの実力になると、それぞれの短いトラックが作り込まれたオリジナルソングのような仕上がりになるのがすごい!そして、紡ぎ出される繊細なトーンはため息が出るほど美しいです…。是非ご一聴くださいね♪