輸入ギターアンプの電圧上げると音が良くなるか聴き比べたよ♪
日本とアメリカ、ヨーロッパとそれぞれ国によって電源の定格電圧が異なるのはご存じの通り。
アメリカ :115~120V
ヨーロッパ :220V
つまり、それぞれの国で設計・製造されるギターアンプは、それぞれの国の定格電圧に合わせて設計されているため、他国の電源で音を鳴らした場合、本来のパフォーマンスを発揮できない…というのが定説となっています。
私が所有しているギターアンプはアメリカから直接輸入したもので115V仕様。そのため、日本の100Vでは本来のパフォーマンスが発揮されていない可能性あり。そこで、ステップアップトランス (昇圧トランス) で117Vに昇圧し、音質が改善されるか検証してみたので、レポートします。
注意:
日本の代理店から購入したアンプは、日本の定格電圧100Vに対応したトランスに仕様変更しているケースも多くあります。ステップアップトランスを検討する際は、まず自身のアンプの仕様を確認することをお勧めします。
ステップアップ (昇圧) トランスについて
ステップアップトランス (昇圧トランスとも呼ばれます) は、その名の通り、日本の定格電圧100Vから他国の電圧値まで電圧を押し上げるための装置です。ギターアンプだけでなく、海外で購入した電化製品を使う際にも用いられます。
ギターアンプの本来のパフォーマンスを発揮するには、アンプが必要としている電力量を正しく供給する必要があります。特に、大きなアタックが入力された時に大きな電流が必要となる。その際の素早く且つ安定的に電流を供給できるかがサウンドに影響してくるようです。
今回使用したステップアップトランス
この度ステップアップトランスを購入するにあたり、私も事前にネット情報をチェック。その際に見つけた情報がBottom’s up Guitarさんのブログでした。
このブログでは以下の三つのステップアップトランスの音の聴き比べを実施しています。
② 楽器ブランドが音楽機材用にリリースしたもの
③ 日本のメーカーが作成したもの
その中でも一番評価が高かった③日本のメーカー製のものを今回入手。そのブランドは東京・秋葉原の春日無線製のUL-600UPでした (HPはこちら)。
春日無線さんは、55年の歴史を誇る老舗メーカーで、トランスや真空管アンプを主力製品としているようです。HPを拝見する限りはトランスへのこだわりは分かりませんが、真空管アンプを扱っている点からも、音質への影響・ノウハウも把握しているかもしれません。
電圧100V⇔117Vでのギターサウンド聴き比べ
それでは早速、ステップアップトランス使用あり/なしでのギターアンプサウンドを比較したいと思います。今回はギターサウンドへの影響を分かりやすくするため、ギターアンプ直、且つ歪み成分の少ないクリーンに近い音でレコーディングしてみました。なお、動画は以下の内容で構成されています。
■ オープニング (演奏動画付きサンプル)
■ 比較① :電圧117V オケあり
■ 比較② :電圧100V オケあり
■ 比較③ :電圧117V ギターのみ
■ 比較④ :電圧100V ギターのみ
それでは早速チェックしてみましょう♪
聴き比べ動画
どうでしょう?違いは分かりましたか??
個人的にはギターサウンドへの影響は非常に大きいように思いました。オケに埋もれると大差ないようにも思えますが、ギターのみで聴いた場合はその差は歴然です。
結論としては『やはりアメリカ製のアンプは117Vで鳴らした方が良い』です。100Vに比べ、117Vで音出しした際は、音量そのものも大きくなりますが、音のハリが全く違います。求めるサウンドによっては100V電圧が合うケースもあるかとは思いますが、パワー感や音のハリ、反応の速さを重視する場合は断然117Vです。
今回はクリーンに近いサウンドで聴き比べましたが、歪み主体のサウンドにおいても、そのパワー感に大きな差がでそうです。ステップアンプトランスは安い買い物ではありませんが、アンプ本来のサウンドを引き出す上で非常に重要なアイテムとなります。エフェクター等に手を出す前に、一度電源周りを見直してみてはいかがでしょうか??
今回の使用機材について
今回のレコーディングにおける使用機材について簡単に触れておきます。
アンプ :アメリカ製 (チューブ/60W)
マイク :SHURE SM57
ギターはオーソドックスなストラトタイプ。先日Zexcoil Picupに換装したギターです。ピックアップはフロント/リアをブレンド。リアはVintage Singlecoilセットアップにしています。
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SHURE SM57はギターアンプのスピーカーに対して真っ直ぐ狙うのではなく、少し角度をつけて狙ってみました。角度をつけない時に比べて、そのサウンドは少しマイルドになる印象です。
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最後に…
プロのレコーディングスタジオは勿論、アマチュアの宅録においても電源周りに配慮することは重要です。ギターアンプも例に漏れず、海外製のギターアンプを使用する際は、そのスペックに合った電圧に設定することが重要。今回の実験でも、ステップアップトランスを適用することで、本来のパフォーマンスが得られることが明確となりました。
ただし、このステップアップトランスも様々な製品がリリースされており、その性能や品質には違いがあるかと思います。私は1種類しか持ち合わせていないので聴き比べはできませんが、作りの良い日本製をチョイスすることが安全かつ安定なサウンドが得られるという点でオススメです。
なお、SHINOS AMPさんが適用しているギターアンプ用のトランスとして採用しているのは『アテネ電機』さんとのことです。下記リンク先の動画でも製品へのこだわりが説明されており、非常に好印象です。
私も機会があればアテネ電機さんのトランスを試してみたいものです。