今でも斬新、レブビーチモデルIbanez RBM2NTを紹介するよ
おろそかになっているブログ更新。短時間でも更新できるネタとして所有機材の紹介します。
その第一弾が今やレアギターと化したIbanez RBM2NT。WINGER (ウィンガー) の所属するREB BEACH (レブ・ビーチ) モデルとして1991~1992年ほどに販売されていたモデルで、その斬新なデザインから今も多くのファンから愛されています。
REB BEACH (レブ・ビーチ) について
REB BEACHの略歴
現在、WINGER (ウィンガー) やWHITESNAKE (ホワイトスネイク) に在籍、日本のロック専門誌でも2020年の人気投票にてベストギタリストに選出される人気ギタリスト、REB BEACH (レブ・ビーチ)。
レブは13歳でロックやギターに目覚め、その後プロギタリストを目指し、名門バークリー音楽院にも通っていた本格派。ただし、譜面を読むのが苦手らしく、理論やスケールを追求するより個性を磨き自分のスタイル確立を重視して腕を磨いたそうです。
その後、レブはセッションギタリストとして活躍。特に当時人気プロデューサーとして活躍したBEAU HILL (ボー・ヒル) お抱えギタリストとして多数の作品に参加。その活動の中で盟友KIP WINGER (キップ・ウィンガー) と出会い、キップの名を冠したバンドWINGERを結成。ボーのサポートを受ける形で鳴り物入りでデビューを飾り、大きな成功を収めました。
その後、グランジ流行に伴い、それ以前に人気を博していたハードロックミュージックへの風当たりが強くなる中、WINGERは最高傑作『PULL』をリリース。しかしながら、その完成度には見合わない評価にとどまり、WINGERは解散することに。
その後、レブはフュージョンスタイルのインスト作品を個人製作するなどの活動を行うも大きな話題とならず、キップに推薦される形でALICE COOPER (アリス・クーパー) のバンドに就職。Andy Timmons (アンディ・ティモンズ) のソロ作品にゲスト参加等、表舞台からは遠ざかりつつも地道な活動を続けていました。その後、新生DOKKEN (ドッケン) のギタリストとして第一線に復帰。DOKKENの往年の魅力にレブの個性が化学反応を起こした『ERASE THE SLATE』 が話題を呼び、レブ復活をファンも歓迎しました。
その後はNIGHT RANGER (ナイト・レンジャー) に短期在籍していたこともありましたが、人気ハードロックバンド WHITESNAKEのギタリストとして抜擢。現在ではリーダーであるDavid Coverdale (デイヴィッド・カヴァデール) に次ぐ在籍期間を誇るメンバーとして活躍。並行して再結成WINGERでも数多くの作品をリリースしています。
自らのプロジェクトであるThe MOBやBLACK SWANでも活動、ソロのインストアルバムをリリースするなどを多忙を極めるレブ。現在でも非常に人気のある、幅広い世代に愛されているギタリストの一人です。
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Ibanezとのエンドースメント
WINGERのギタリストとして人気を得たレブ。その人気に着目したのは日本のギターメーカー、Ibanez (アイバニーズ)でした。アイバニーズはレブとエンドースメントを結び、レブビーチモデルの第一弾としてWRB3 (通称SAHARA) をリリース。斬新なボディシェイプにWINGERの1stアルバムデザインを彷彿される個性的なグラフィックが施されたモデルで、当時スタジオミュージシャンが好んで使用していたアクティブピックアップEMGを備える等、セッションマンとして活躍したレブらしい実用性も兼ね備えるギターとなっていました。
続いてリリースされたのが、今回紹介するRBM2NT (通称Voyager)。このモデルはレブが長年愛用してきたPensa Suhr (ペンザ・サー)をベースに設計、さらにレブの斬新なアイデアが加わった個性的なギターに仕上がっています。特筆すべきは、ボディエンドからアームユニットまでカットオフされた、スタインバーガーのようなボディ形状。そこに、Pensa Suhrとほぼ同スペックとなる木材がチョイスされることで、前衛的ながらもギターマニアも唸らせる一本として、今なお高い人気を誇っています。
Ibanez RBM2NTをレビュー
学生時代に某オークションで入手したRBM2NTを紹介します。学生時代より長年メインギターとして使用してきたこともあり既にボロボロですが、そのスペック含め一緒にみていきましょう。
Ibanez RBM2NTのスペック
上述した通り、基本スペックはレブの当時のメインギターであったPensa Suhrを踏襲したものであり、以下の通りリストにしました。
ボディバック材:マホガニー
ネック材:ボリビアン・ローズウッド (パーフェロー)
指板材:ボリビアン・ローズウッド (パーフェロー)
フレットワイヤー:Jim Dunlop#6130
スケール:25.5inch
ネックピックアップ:EMG SA
ミドルピックアップ:EMG SA
ブリッジピックアップ:EMG89 Dual Coil
トレモロ:Ibanez EDGE
コントロール:1 Volume w/ コイルタップ, SPCサーキット
ボディトップにはエキゾチックな杢目が印象的なハワイアンコア、当時ネック材としては珍しかったパーフェローが採用されていることが大きな特徴。特にネック材であるパーフェローのチョイスがこのギターのサウンドを決定づけていると言えます。
なお、本モデルはハワイアンコアが適用されたギターの代表例として、2021年4月号のYOUNG GUITARでも紹介されています。ご興味がある方は是非チェックしてみてくださいね♪
私が所有するRBM2NTを見てみよう
入手して以来、長い付き合いになるRBM2NTです。日々の練習やレコーディング、ステージでも使用、現在も手に取ることの多い一本です。
オリジナルと異なる箇所は以下の通りです。
■ スイッチを背の低いタイプに変更
■ フレット交換 (同じJim Dunlop製 #6130)
■ 配線部の整理
RBM2NTの使用感
長年にわたって愛用してきたRBM2NTの演奏性含めたレビューです。
RBM2NTはIbanezのRGシリーズ対比でボディは若干小ぶりな設計になっており、ボディを抱えた際もすっきりした印象。また、Ibanez特有のネックジョイントでハイポジションもアクセスしやすいという点はPensa Suhr対比のアドバンテージと言えるのではないでしょうか。
ギタリストが重視するネックの握りに関しては、極薄のIbanezのネックに比べて厚めで、どちらかというと近年のSuhrと似たような形状と感じています。ただし、ネックはスカーフジョイント仕様となっており、高級モデルとしては少し残念な仕様と言えます (サウンド面への影響は不明です)。
10数年使ってきましたが、ネックの反りを調整したこともなく、非常に安定したネック材が適用されています。また、少し黒ずんでいる箇所*もありますが、ハワイアンコアの美しい杢目も健在。このギターのルックス面で多くのファンを引きつける要因と言えるでしょう。
* ピッキングで傷がつく箇所が黒ずむ現象は、レブ本人のPensa Suhrでも同様の現象がみられます。ハードに使用する代償みたいなものと諦めてます (笑)
RBM2NTの特徴
以下にREBM2NTの強み・弱みについてまとめました。
(個人的) RBM2NTの強み
強み①: EMGによるノイズレスかつパワフルなサウンド
ハードロックによく合うパワフルなサウンドが魅力。また、ノイズも少なく演奏も心なしか少し上手くなったような錯覚に陥ります (笑)
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強み②: 手元でのサウンドコントロールの多彩さ
基本的にはEMGサウンドですが、ブリッジ・ピックアップのコイルタップやSPCサーキットによるブーストにより、クリーンサウンドからリードプレイまで手元で制御できます。
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強み③:パーフェローネックによるエッジの効いたサウンド
一般的なメイプルネックに比べて、すっきりしたサウンドが特徴。歪ませたサウンドも低音がぼやけることなく、リードでも映えるサウンドが簡単に得られます。
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強み④:ボディのカットオフ構造によりアームアップ稼働範囲が広い
レブビーチのような激しいアーミングの際でも、アームアップ稼働範囲が広いため、ワイルドな演奏も可能となっています
(個人的) RBM2NTの弱み
弱み①:ヘッド落ちしやすい
ボディエンドからトレモロ部分まで大胆にカットオフしていることもあってか、ヘッド側に重心があり、立って演奏するとヘッドが下がってきます。Lot間差があるかもしれませんが、私の所有機は顕著で立って演奏する際は少しストレスを感じます。
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弱み② : Volumeノブが手に当たりやすいポジションに配置されている
レブ自身、手元でのボリューム奏法を行うためか、ピックアップに近いポジションにVolumeノブが配置されています。そのため、演奏中に右手が触れてしまい、ボリューム設定が変わってしまうことがしばしば。演奏性も損なわれます。結局私はSPCサーキット用スイッチを場所を入れ替え、且つ背の低いスイッチを採用することで解決しました (この改造はかなりオススメできます!)。
RBM2NT サウンドチェック!
これまでRBM2NTについてレビューしてきましたが、サウンドについても少し紹介。過去記事でも紹介済みの動画ですが、RBM2NTで演奏しているので改めて紹介しておきます。
パワフルでソリッドなサウンドで、ハードロックとの相性はバッチリ。パワフルなEMGはノイズも少なく、かなり歪みますね。
取り上げた楽曲『Black Magic』
演奏した楽曲は、Reb Beach (レブ・ビーチ) の『Black Magic』。
この『Black Magic』という楽曲はReb Beachがギターの教則ビデオをリリースするにあたり、書き下ろしたギターインスト曲。彼のアイデンティティと言えるレガート調のタッピングフレーズやアグレッシブなアーミングが駆使されたロックチューン。CD作品としては、『Guitars That Rule The World』という海外のギター雑誌が企画したコンピレーションアルバムにも収録されています。また、レブが2020年にリリースしたソロアルバム『A View From The Inside』でもリメイクされていますよ♪
今回はイントロのみのカバーですが、ペンタトニックのシンプルかつメカニカルなシーケンスフレーズが印象的ですよね。せっかくなので、ご本人のスーパープレイが堪能できる動画も貼り付けておきますね♪
類似モデル含め中古市場にも定期的に出回りますので、是非チェックしてみてくださいね♪